土木デザイン設計競技 景観開花。2014

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株式会社 東京建設コンサルタント

東京建設コンサルタントは、「次代への構想〜Design for Next Age」を事業方針に掲げ、先人たちが築き上げてきた歴史や風土を真摯に学び、そして知恵や技術を確実に受け継ぎ、常に時代の先端に立ち、培った高度な技術サービスを通じて、安全安心で、豊かで潤いのある社会資本整備に貢献してゆきます。

「近代土木技術の継承」 ―重要文化財『石井閘門』の保全対策と補修検討―

平成24年度 石井閘門保全対策計画検討業務
平成25年度 石井閘門補修等検討業務
(2年連続 東北地方整備局局長賞 受賞)
重要文化財 石井閘門 補修
(全建賞(平成25年度河川部門) 受賞)

北上川(現在の旧北上川)と北北上運河とを接続する石井閘門は、明治13年に完成した日本初の西洋式近代閘門で、現在も稼働する閘門としては国内で最古の施設となっています。明治期から大正期にかけて全国に建造された近代閘門の規範を示す施設として土木技術上価値が高いとされ、平成14年に国の重要文化財に指定されています。

この石井閘門は、完成から現在までの130年余りの老朽化とともに、平成23年3月に東日本を襲った東北地方太平洋沖地震において震度6強の揺れを受けるとともに津波にものみ込まれ、周辺地盤の沈下や石積、煉瓦等が変形・破損しました。

弊社では、2ヵ年に渡る受注業務において、三次元レーザー測量、地中レーダー探査、コンクリート・煉瓦の強度試験等の綿密な現地調査や試験と調査・試験結果に基づいた定量的な健全度評価を実施し、技術的な裏づけに基づいた補修計画の立案を行いました。更に補修工事にあたっては、文化的価値を保つために、解体時に正確な記録を取りつつ、元の形に戻すことができるように『文化財としての施工監理』を実施し、補修範囲を最小限にするとともに、可能な限りその部材(取り外した煉瓦や石材)を当時の施工技術を活用して再構築を行いました。

3D表現による補修計画立案

補修工事完了後の石井閘門(H26.10)

「地形に寄り添うデザイン」 ―曽木の滝分水路の分流計画と詳細設計―

土木学会デザイン賞2013 優秀賞受賞
グッドデザイン賞2012 サステナブルデザイン賞受賞

平成18年7月に発生した記録的な豪雨は、鹿児島県の川内川流域に甚大な被害を引き起こしました。その災害復旧を目指した直轄河川激甚災害対策特別緊急事業(通称:激特事業)が採択され、その一環として、曽木の滝分水路(洪水を分流する施設)が建設されました。

当社は、川内川河川事務所とともに、熊本大学(星野裕司准教授、小林一郎教授)、九州大学(島谷幸宏教授)及び地域住民の代表者等からのアドバイスや意見を踏まえて、「曽木の滝」の景観保全及び景観的な調和を目指した分水路の分流計画及び詳細設計を実施しました。

その結果、地形改変を最小限に抑えて治水機能を満足させるとともに、アメニティや豊かな環境の創出も実現し、災害復旧にとどまらない新しい価値を地域に与えることができました。

「市民と進める自然再生デザイン」 ―東京都野川における自然再生事業―

土木学会デザイン賞2014 優秀賞受賞

野川の自然再生事業は、東京の市街地を流れる野川と調節池を対象に、事業対象地区にかつてあった水のある豊かな自然環境を再生することを目標とした、自然再生推進法に基づく事業です。本事業では、自然再生協議会(市民、市民団体、学識者、行政機関で組織)での議論による計画・設計段階からの市民との合意形成、更には、段階的整備や順応的管理を旨とした市民による維持管理のしくみのデザイン(管理運営を担う市民団体「野川自然の会」を事業開始時に立上げ東京都と覚書を締結、自主的財源による継続的維持管理、ふれあい活動等の推進、モニタリングによる管理や次期整備へのフィードバック、野川からの取水量の調整等を担う等)に特長があります。

具体のデザインでは、①人工物は極力不使用、②人工エネルギーは原則不使用、③人為的な移植・移入を行わない、④水源は野川からの取水と雨水とするなど、水・土・木・石といった自然素材の活用を中心とした「自然再生事業の整備や維持管理に関する基本原則」を設定することで、環境の多様性やかつてあった風景の再現や創出を目指しています。結果、治水施設でしかなかった調節池が、田んぼを中心とした自然体験の再生の場として、市民の憩いの場、活動空間として新たな意味を持つ場となっています。

会社概要

株式会社 東京建設コンサルタント

設立1960年(昭和35年)10月
資本金3億3,500万円
代表者代表取締役会長 寺田斐夫
代表取締役社長 大村善雄
従業員数534名
売上高85億円(平成25年9月期)
事業内容河川計画、河川構造物、河川環境、水質保全、上下水道、道路、橋梁、交通、海岸、ダム、砂防、港湾、環境アセスメント、観測技術、模型実験、都市・地域計画、事業執行マネジメント、防災、LCM、機械電気設備技術、情報通信技術、測量・地質調査、施工管理、建築設計
有資格者数技術士 275名(総合技術監理部門 51名、建設部門他 224名)
RCCM 134名、一級建築士 2名、環境計量士 9名、一級土木施工管理技士 58名、測量士 53名、博士 9名
登録建設コンサルタント登録:建26第25号
登録部門河川、砂防及び海岸・海洋 道路 下水道 造園 都市計画及び地方計画 土質及び基礎 鋼構造及びコンクリート トンネル 施工計画、施工設備及び積算 建設環境 機械 電気電子 地質 港湾及び空港